耳鳴りの原因は、病気が原因の場合と日常生活に原因がある場合があります。
突発性難聴の原因も未だ解明されていませんが、発症前には耳鳴りが起こる人が多いようです。麻疹やおたふくかぜなどの感染症も原因の一つと考えられているため、感染症にかかっていて耳鳴りがする時は注意が必要です。
加齢により音を感知する細胞が壊れていき、耳鳴りや難聴につながることがあります。老人性難聴は軽度のうちはほとんど自覚がありません。耳鳴りは聴力の衰えのサインである可能性があるため、一度聴力を検査することをおすすめします。
耳鳴りに加え、耳の痛みや頭痛を伴う場合は中耳炎の可能性があります。中耳炎をそのままにしておくと難聴になってしまうかもしれません。早めに病院で診察を受けるようにしましょう。
耳鳴りに加え、めまいがあればメニエール病の可能性が高くなります。また、メニエール病の場合は「ザー」という比較的低い音が聞こえることが多いとされています。メニエール病は放っておくと悪化するので、症状があれば早めに病院で診察を受けてください。
もっとも危険度が高いのは、脳腫瘍・脳梗塞・脳出血といった脳の病気が原因となっている場合です。命に関わる可能性があるので、両耳で耳鳴りがする、めまい・難聴・手足のしびれなどの伴う時はすぐに病院で診察を受けましょう。
睡眠不足が続いたり、疲労が蓄積したり、過剰なストレスがかかると自律神経が乱れ、耳鳴りやめまい、頭痛などを引き起こすことがあります。
「ガサガサ」という音がする場合は、耳に異物が入っていたり、耳垢がたまっていたりすることが原因かもしれません。自分でとると耳を傷つける可能性があるので、耳鼻科で診察を受けることをおすすめします。
ライブハウスやヘッドホンなどで大きな音を聴く機会が多い人は、内耳の細胞が傷ついている可能性があります。耳鳴りが長引くようであれば、耳鼻科を受診し、原因となる行動を控えるようにしましょう。
耳鳴りの原因は、病気のほか、老化、ストレスや過労、飲酒・喫煙、姿勢の悪さや運動不足による血行不良などさまざまです。日常の生活習慣が原因の場合は、しっかりセルフケアすることで予防することができます。
◆寝る前の環境を整える
耳鳴りは、寝る前など静かな環境のときほど気になるものです。効果的なのは、寝る体勢に入ったら「自然の音を流す」という方法です。ヒーリング音楽のほか、睡眠に支障がなければラジオやテレビの音でもOK。音を流すだけで耳鳴りの症状が緩和することがあります。
ポイントとしては、耳鳴りが少し聞こえる程度の音量にすることです。耳鳴りの音が相対的に小さく感じるため、気にならなくなるのです。
◆食生活で予防する
耳鳴りを予防するためには、食事を和食中心にすることをおすすめします。和食の食材には以下の栄養素が多く含まれており、脳の興奮状態を和らげる効果が期待できます。
血管の拡張を抑制する働きがあります。海藻類(ひじき、ワカメ)、大豆、大豆製品、魚介類、ゴマに多く含まれます。
神経細胞の興奮を抑制する働きがあります。レバー、牛乳、納豆などに多く含まれます。
神経細胞の働きを安定させます。根菜類、いも類、キノコ類、寒天などに豊富です。
※これらの栄養素は耳鳴りだけでなく、健康維持のために欠かせない要素です。毎日の食生活で意識して取り入れることをおすすめします。