立ち上がった時にめまいや動悸、失神などが起きてしまう起立性調節障害は、小学校高学年から中学生くらいの思春期の子供に多い病気で、食欲不振や倦怠感を伴うこともあります。
原因は、自律神経の機能が低下して循環器系の調節がうまくいかなくなることにあります。
人体は通常、立ち上がる時、交感神経の働きによって血圧を維持しています。しかし、この交感神経がうまく働かないと、心臓へ戻る血液量が減少して、めまいや動悸、失神などが引き起こされてしまいます。
自立神経機能が低下する要因としては、身体の発育に伴う自律神経の乱れ、水分の摂取不足、運動不足、精神的ストレスなどがあります。また、起立性調節障害に悩む人の約半数に遺伝的傾向があることが分かっています。
症状は午前中に強く出ることが多く、午後になると軽減したり消失したりすることが多いです。そのため、人によっては昼夜逆転の生活になってしまうことがあります。症状が悪化すると日常生活に支障をきたすこととなり、集中力・思考力が低下したり、不登校になったりする可能性もあります。